公開日: |更新日:
理由が何であれ、インプラントが抜けたときに自分で何とかしようとすることはNG。自分で思いつく大半の応急処置は状態を悪化させるだけ、と考えておきましょう。まずは速やかにインプラント歯科医院へ連絡し、適切な指示を仰ぐことが大切です。
インプラントが抜けたときには、自己判断で無理なことを行わないようにしましょう。次に挙げる対応を基本とし、可能な限り速やかに歯科医院を受診しましょう。
まずは、インプラント治療を受けた歯科医院に連絡しましょう。引越しなどでインプラント治療を受けた歯科医院が遠方にある場合には、近隣でインプラント治療を行っている歯科医院に連絡・相談します。
連絡する際には、「いつインプラントが抜けたのか」「現在の状態はどうか」「何が理由でインプラントが抜けたのか」等々、インプラントが抜けたときの状況を客観的に説明できるようにしておきましょう。同じ電話で、受診日時を予約してください。
インプラントが抜けた部分は、自分で触らないようにしましょう。
抜けたインプラントを力づくで埋入しなおそうと試みたり、市販の接着剤で貼り付けようとしたりする人もいるようですが、感染症などのリスクを避けるため、自分では抜けた付近を触らないようにしてください。
歯科医院で仮歯を設置してもらうまで、見た目に問題が生じる可能性もありますが、いたし方ありません。
歯科医院に連絡してすぐに受診できれば良いのですが、予約状況によっては、すぐに診てもらえないこともあります。
そのような時には、診てもらえるまでの間、インプラントが抜けた部分に極力負担をかけないようにしましょう。手で押したり触ったりせず、また、食事をする際にはインプラントとは反対側の歯を使うようにしましょう。インプラントが抜けた部分に舌で触るのも良くありません。
歯磨きをする際にも、インプラントが抜けた部分を傷つけないよう優しくケアしましょう。
抜けた部分が上部構造やアバットメントの場合、再利用できる可能性があるので、抜けた部分を廃棄せず保管し、歯科医院を受診する際に持参しましょう。
保管する際にはゴミと間違えないよう、小さなタッパーやジッパー付き食品保存袋などに入れておくようおすすめします。
インプラントは、上から順に「人工歯(上部構造)」「アバットメント」「インプラント体」の3パーツで構成されています。それぞれのうち、どこが外れたのかにより抜ける原因が異なります。
人工歯が抜ける主な原因は、強い力がかかったことによる「割れ」か、または、食いしばりや歯ぎしりなどの力が加わったことによるアバットメントとの分離です。
一般的に人工歯はセラミック(陶器と似た素材)で出来ているため、衝撃により割れることがあります。また、人工歯とアバットメントをつなぐセメントやねじに負荷がかかり続ければ、やがて分離してしまうこともあります。
アバットメントが抜ける原因は、人工歯と同様に、強い力が加わったこと。食いしばりや歯ぎしり等で長期間にわたりインプラントに強い力が加わり続けた結果、固定しているねじが外れるなどしてアバットメントが抜けてしまいます。
アバットメントが抜ける際、通常はその上に設置されている人工歯も一緒に抜けます。
インプラント体が抜ける原因は、インプラントと顎の骨との不十分な結合(喫煙などが原因になりうる)、インプラント周囲炎、手術時の感染症、インプラント体の破損などです。
いずれの原因であっても、インプラント体が抜けるのは極めて深刻な事態。早急に治療を受けるようおすすめします。
インプラントが抜けてしまったら、「速やかに歯科医師へお任せする」ことのみを考えて行動しましょう。次のようなことは、決してやってはいけません。
インプラントが抜けたまま放置すると、破損部分が拡大して再治療が難しくなることもあります。細菌にも感染しやすい状態なので、放置せず速やかに歯科医院を受診しましょう。
もともとインプラントがあった位置に戻してみると、一見、固定され直したような状態になることもありますが、戻すだけで固定され直すことは決してありません。
細菌感染のリスクもあるので、一度外れたインプラントは、口の中に戻さないようにしましょう。
多くの方にとって信じがたいかもしれませんが、抜けたインプラントを市販の接着剤などでくっつけようと試みる方もいます。
余分に口の中の状態が悪化する恐れがあるので、そのような行為は絶対にしないようしましょう。
DENTISTS
※姫路市内のインプラント対応歯科を調査し、公式HPでインプラントメーカーを明記、麻酔に関して静脈内鎮静法をとっている歯科のみを紹介しています。(2020年12月1日時点)
※治療費用はインプラント1本分の価格を公式HPから算出したものとなります。
※インプラント治療の費用・期間について
インプラント治療の平均的な費用は1本当たり30~40万円ほど、治療にかかる期間は平均で7ヶ月~13ヶ月とされています。費用・期間とも、個人の健康状態や、クリニックの体制によって異なるので、詳しい情報はクリニックに直接お問い合わせください。
※副作用について
インプラント治療のリスクとして、インプラント周囲炎や、金属アレルギーが発症することなどが考えられます。 また、持病などの状態によっては、治療を受けることによって合併症を惹き起こす可能性もあります。不安や懸念点がある方、詳しく知りたい方はクリニックへご相談ください。
※インプラント治療について
治療内容や治療に使う医薬品・医療機器は医院・クリニックによって異なります。各院・クリニックのインプラント治療で採用している医薬品・医療機器の中には、厚生労働省未承認のものを使用している場合があります。費用相場・治療期間・回数、リスクや副作用なども治療内容によって異なります。保険適用の有無をはじめ入手経路、諸外国における安全性、同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無、副作用・リスクなど、詳しくは各院・クリニックに直接お問い合わせください。
参考:インプラントネット(https://www.implant.ac/cost/#link01-1)、ストローマンインプラント公式(https://straumannpartners.jp/medical/implant/flow/)