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インプラント治療を受けた患者さんのなかには、治療後の自分の口臭が気になるという方もいます。ここでは、インプラント治療後の臭いの原因について解説しながら、臭いを防ぐための対策についてまとめました。インプラント治療を検討しているという方も参考にしてください。
インプラント自体には口臭をきつくする材質は使われていないため、治療後に口臭がきつくなったと感じるのであれば、磨き残しが原因になっているかもしれません。インプラント治療を受けると元の歯とインプラント部分に段差ができたり、歯の隙間を掃除しにくくなったり、とプラークができやすくなります。
プラークとは歯の表面で繁殖した細菌の塊のことで、悪臭の原因になるメチルメルカプタンやジメチルサルファイド、硫化水素を発生させます。細菌は口の中の食べかすをエサにして繁殖するため、磨き残しがあるとそれだけ悪臭を放ちやすい状態になってしまうのです。
インプラントはインプラント体(歯根部)、アバットメント(支台部)、人工歯(上部構造)の3つで構成されています。ネジ状のアバットメントはインプラント体にしっかり取り付けられるため、緩みが出ることは基本的にありません。ただし、インプラント治療から長期間経過した場合、ネジが次第に緩み、唾液や汚れが入り込むことがあります。
隙間から入り込んだ唾液や汚れがプラークとなって、口臭の原因となってしまうのです。ネジの緩みが身体に大きな影響を及ぼす心配はないものの、細菌の増殖によってインプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。
インプラント周囲炎とは、インプラント周辺の歯茎が炎症を引き起こしている状態です。インプラント周囲炎になると、歯と歯茎の間にある溝が深くなり、歯周ポケットができやすくなります。歯周ポケットは口の中の細菌にとって格好の住みかで、特に嫌気性菌と呼ばれる細菌は口臭の原因となる硫化水素やメチルメルカプタンを産生するので注意が必要です。
また、インプラント周囲炎は口臭の原因になるだけでなく、炎症の影響が骨にまで及ぶ恐れがあります。顎の骨が溶けて最終的にインプラントが抜け落ちてしまうため、口臭がきつくなったと感じたらインプラント周囲炎を起こしている可能性も疑い、歯科医院で検査を受けるようにしましょう。
インプラントの施術に使われたセメント接着剤がしっかりと除去されていないと、セメント部分の周囲に歯垢がたまりやすくなり、口臭の原因になります。セメント接着剤が原因の場合は、施術後のメンテナンスで口臭について相談し、施術の際の残留物を除去してもらうようにしましょう。
また、インプラントの不具合によって噛み合わせに問題が生じている場合も、歯垢がたまったり、磨き残しが生じやすくなったりするため、口臭がきつくなる原因の1つです。
インプラント治療後の臭い対策でカギとなるのは、「定期メンテナンス」と「日頃の歯磨き」の2つです。それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
日頃の歯磨きだけではどうしても限界があるため、定期メンテナンスを必ず受けるようにしましょう。定期メンテナンスで歯科衛生士によるクリーニングを受けることにより、プラークや歯石を除去でき、口臭予防につながります。また、虫歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防としても効果的です。
定期メンテナンスの頻度は、口の状態にもよりますが、3~6ヶ月に一度が一般的です。歯科医師にインプラント部分の経過観察や噛み合わせ、インプラント部位の緩みなどをチェックしてもらい、口臭対策に取り組むようにしましょう。
日頃の歯磨きが不十分だと、口臭の原因になる磨き残しが発生しやすくなります。特に段差ができるインプラント部分は磨き残しが発生しやすいため、フロスや歯間ブラシを活用しながら歯とインプラントの間、歯茎との境目部分を丁寧に磨くようにしましょう。狭い隙間にはフロス、大きい隙間は歯間ブラシと使い分けるのがおすすめです。
そもそもインプラント治療を受けることになった原因の多くが虫歯や歯周病によるもののため、歯をこれ以上失わないようにするためにも、日頃の歯磨きを徹底するようにしましょう。間違った歯磨きのやり方だと十分な効果を得られないので、歯科医院で正しい歯磨きの方法を指導してもらうことも口臭対策につながります。
DENTISTS
※姫路市内のインプラント対応歯科を調査し、公式HPでインプラントメーカーを明記、麻酔に関して静脈内鎮静法をとっている歯科のみを紹介しています。(2020年12月1日時点)
※治療費用はインプラント1本分の価格を公式HPから算出したものとなります。
※インプラント治療の費用・期間について
インプラント治療の平均的な費用は1本当たり30~40万円ほど、治療にかかる期間は平均で7ヶ月~13ヶ月とされています。費用・期間とも、個人の健康状態や、クリニックの体制によって異なるので、詳しい情報はクリニックに直接お問い合わせください。
※副作用について
インプラント治療のリスクとして、インプラント周囲炎や、金属アレルギーが発症することなどが考えられます。 また、持病などの状態によっては、治療を受けることによって合併症を惹き起こす可能性もあります。不安や懸念点がある方、詳しく知りたい方はクリニックへご相談ください。
※インプラント治療について
治療内容や治療に使う医薬品・医療機器は医院・クリニックによって異なります。各院・クリニックのインプラント治療で採用している医薬品・医療機器の中には、厚生労働省未承認のものを使用している場合があります。費用相場・治療期間・回数、リスクや副作用なども治療内容によって異なります。保険適用の有無をはじめ入手経路、諸外国における安全性、同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無、副作用・リスクなど、詳しくは各院・クリニックに直接お問い合わせください。
参考:インプラントネット(https://www.implant.ac/cost/#link01-1)、ストローマンインプラント公式(https://straumannpartners.jp/medical/implant/flow/)