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インプラント手術を含む外科手術を受ける場合、手術前後の飲酒は回復期間や仕上がりへ大きな影響を与えるため、タブーとされています。
ここでは、インプラント手術と飲酒の関係性について解説しているので、インプラント手術を受ける予定があり、普段からお酒を飲まれる方は参考にしてみてください。
アルコールには血管を拡張させる作用があるため、飲酒するとインプラント手術後の炎症は悪化します。
また、普段から飲酒量が多く、肝臓を酷使している方は、抗生物質や痛み止めが効きにくい可能性も。そのため、飲酒をしていない人よりも腫れや痛みが酷くなりやすいのです。
インプラント手術の傷を治すには、体内の栄養やエネルギーが必要です。しかし、飲酒すると栄養やエネルギーはアルコールの分解に使用されます。
また、アルコールには血管を拡張させる作用があり、出血が止まりにくくなるため、傷の治りが遅くなりやすいのです。
インプラント手術は人工歯根を顎の骨に埋め込み、周囲の骨組織が新たな骨を生成する反応を利用して人口歯根を定着させる方法です。
アルコールにはカルシウムの吸収を妨げる作用があるため、新たな骨が生成されるまでに時間がかかります。その結果、定着までの期間が長引いたり、最悪の場合はインプラント手術が失敗するリスクもあるのです。
アルコールは体内の水分を奪うため、飲酒すると口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。また、アルコールには一時的に免疫力を下げる作用もあるため、インプラント手術後の傷口が細菌に浸食されるリスクが上がります。
その結果、感染症やインプラント定着不良、口臭悪化など、口腔内のトラブルリスクが大幅に増加。とくに感染症が起こると、人工歯根を埋め込んだ周辺組織の健康維持が難しくなり、仕上がりにも大きな影響を与えてしまうので注意が必要です。
手術当日の飲酒は厳禁です。手術前日も翌日にアルコールが残るような大量飲酒は避けましょう。アルコールが体内から完全に分解されるには個人差がありますが、一般的には缶ビール1本のアルコールが体内から完全に抜けるまで約2~3時間(※1)かかるとされています。
普段からお酒を毎日飲んでいる方は、普段から肝臓を酷使しているため、術後に処方される抗生物質や痛み止めなどが効きにくい可能性があります。この状態をリセットするには、インプラント手術の1週間~2週間ほど前から禁酒(※2)が必要です。
目安としては、1週間程度飲酒を控えた方が良い(※3)でしょう。これは、治癒過程における出血や炎症のリスクを避けるためです。
ただし、個々の症例や手術内容、回復状況により適切な禁酒期間は異なります。担当の歯科医師に相談し、術後の状態を踏まえて飲酒再開時期を判断してもらいましょう。
歯科医師の許可が出て飲酒を再開する際は、以下のポイントに注意してください。
インプラント手術は、失った歯の機能を取り戻す革新的な手術方法です。普段からお酒を飲まれる方にとって、手術前後の禁酒期間はツラいものですが、この期間をぐっと堪えることで、インプラント手術後に痛みや回復期間が長引くのを避けられます。
お酒に合うご飯やおつまみを美味しく食べるためにも、歯科医師が定めた飲酒ルールをしっかり守りながらインプラント手術を受けてみてください。
DENTISTS
※姫路市内のインプラント対応歯科を調査し、公式HPでインプラントメーカーを明記、麻酔に関して静脈内鎮静法をとっている歯科のみを紹介しています。(2020年12月1日時点)
※治療費用はインプラント1本分の価格を公式HPから算出したものとなります。
※インプラント治療の費用・期間について
インプラント治療の平均的な費用は1本当たり30~40万円ほど、治療にかかる期間は平均で7ヶ月~13ヶ月とされています。費用・期間とも、個人の健康状態や、クリニックの体制によって異なるので、詳しい情報はクリニックに直接お問い合わせください。
※副作用について
インプラント治療のリスクとして、インプラント周囲炎や、金属アレルギーが発症することなどが考えられます。 また、持病などの状態によっては、治療を受けることによって合併症を惹き起こす可能性もあります。不安や懸念点がある方、詳しく知りたい方はクリニックへご相談ください。
※インプラント治療について
治療内容や治療に使う医薬品・医療機器は医院・クリニックによって異なります。各院・クリニックのインプラント治療で採用している医薬品・医療機器の中には、厚生労働省未承認のものを使用している場合があります。費用相場・治療期間・回数、リスクや副作用なども治療内容によって異なります。保険適用の有無をはじめ入手経路、諸外国における安全性、同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無、副作用・リスクなど、詳しくは各院・クリニックに直接お問い合わせください。
参考:インプラントネット(https://www.implant.ac/cost/#link01-1)、ストローマンインプラント公式(https://straumannpartners.jp/medical/implant/flow/)