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インプラント治療後、噛み合わせの不具合や術後の細菌感染などが要因となり、頭痛が発生することがあります。多くは一時的な症状ですが、原因によっては継続的な対応が必要です。原因を特定し、それぞれに応じた処置を行うことが重要になります。
インプラント治療後に噛み合わせが変化し、周囲の歯や骨に影響を及ぼすことで頭痛が引き起こされることがあります。インプラント体と人工歯を繋ぐネジの緩みや、長年の使用による人工歯のすり減りなどが、噛み合わせのずれを生じさせる主な要因です。
噛み合わせが不適切になると、顎関節にも負担がかかり、顎の痛みや開口障害などを伴う顎関節症を発症する可能性も指摘されています。特に、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、インプラントに強い力がかかりやすいため、噛み合わせの問題が起こりやすい傾向にあります。
上の顎にインプラントを埋め込む際、鼻の横にある上顎洞という空洞にインプラント体が近接したり、突き抜けたりすることが原因で炎症が起こり、上顎洞炎を発症することがあります。上顎洞炎は一般的に蓄膿症とも呼ばれ、細菌感染によって引き起こされます。
主な症状は、頭痛のほかに鼻づまり、発熱、頬の痛みや違和感、鼻から膿が出るなど。インプラント治療後にこれらの症状が現れた場合は、歯が原因となる歯性上顎洞炎の可能性が考えられるため、早期の診察が必要です。
インプラントの周りの組織が細菌に感染して炎症を起こす疾患です。日々の口腔ケアや定期的なメンテナンスが不十分な場合に発症しやすくなります。初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると歯茎の腫れや出血、膿の排出といった症状が現れます。
重症化すると、インプラントを支える顎の骨が溶かされ、インプラントが不安定に。このぐらつきが噛み合わせの悪化を招き、結果として顎の筋肉の緊張や頭痛につながることがあります。
インプラント治療後の頭痛が噛み合わせの問題に起因する場合、歯科医院での調整が必要です。インプラントのネジの緩みが原因であれば、レントゲンで状態を確認し、人工歯を一度外してネジを締め直すことで改善を図ります。
人工歯そのものがすり減っている場合は、新しいものに交換します。歯ぎしりや食いしばりの癖によって顎に負担がかかっていると診断された際には、就寝時などに専用のマウスピースを装着し、歯や顎への影響を和らげる目的で使用されます。
抗菌薬や鎮痛薬の服用による薬物療法が基本です。同時に、感染源となっている歯科的な問題があれば、その治療も並行して行います。
症状が継続する場合は、耳鼻咽喉科と連携し、上顎洞を洗浄する治療や、内視鏡を用いた外科手術で炎症を起こしている粘膜を取り除くなどの処置が検討されます。上顎洞炎を放置すると他の合併症を引き起こす可能性もあるため、早期の対応が重要です。
進行度に応じて、治療が行われます。初期段階であれば、インプラント周囲の歯石除去や歯周ポケット内の洗浄、抗菌薬の投与といった非外科的療法で改善を目指します。
併せて、日々のブラッシング方法の見直しや生活習慣に関する指導も実施。症状が進行し、顎の骨の吸収が進んでいる場合は、歯茎を切開してインプラントの表面を直接清掃・殺菌する外科的治療が必要です。場合によっては、失われた骨を再生させるための骨移植が行われることもあります。
DENTISTS
※姫路市内のインプラント対応歯科を調査し、公式HPでインプラントメーカーを明記、麻酔に関して静脈内鎮静法をとっている歯科のみを紹介しています。(2020年12月1日時点)
※治療費用はインプラント1本分の価格を公式HPから算出したものとなります。
※インプラント治療の費用・期間について
インプラント治療の平均的な費用は1本当たり30~40万円ほど、治療にかかる期間は平均で7ヶ月~13ヶ月とされています。費用・期間とも、個人の健康状態や、クリニックの体制によって異なるので、詳しい情報はクリニックに直接お問い合わせください。
※副作用について
インプラント治療のリスクとして、インプラント周囲炎や、金属アレルギーが発症することなどが考えられます。 また、持病などの状態によっては、治療を受けることによって合併症を惹き起こす可能性もあります。不安や懸念点がある方、詳しく知りたい方はクリニックへご相談ください。
※インプラント治療について
治療内容や治療に使う医薬品・医療機器は医院・クリニックによって異なります。各院・クリニックのインプラント治療で採用している医薬品・医療機器の中には、厚生労働省未承認のものを使用している場合があります。費用相場・治療期間・回数、リスクや副作用なども治療内容によって異なります。保険適用の有無をはじめ入手経路、諸外国における安全性、同一性能を有する国内の承認医薬品等の有無、副作用・リスクなど、詳しくは各院・クリニックに直接お問い合わせください。
参考:インプラントネット(https://www.implant.ac/cost/#link01-1)、ストローマンインプラント公式(https://straumannpartners.jp/medical/implant/flow/)